性感染症は性行為によって感染するというのは広く理解されていますが、日常生活の中で感染する可能性はあるのかと問われた場合、性感染症の種類やその場所によっては、感染の可能性がありうると言えます。
そして家族間での感染で特に気をつけたいのがお風呂になります。

お風呂で感染する可能性があるのは、まず一つ目がトリコモナスです。
トリコモナスは乾燥には弱いのですが、水中には強いのが特徴で、例えば感染者が使った浴室の椅子にトリコモナス原虫が付着していた場合、その後に家族が座ると感染する可能性があります。
また家庭のお風呂ではマットを使用している家も多いですが、椅子と同じようにマットを介して感染する事もあります。

またお風呂を出た後、体を拭くためのバスタオルの共用も注意が必要となります。
感染者が使用し、トリコモナス原虫がタオルで生存している状態のまま、他の家族が陰部を拭いたりした場合も感染する可能性があります。
ちなみにトリコモナス原虫は、42℃以上で死滅し、生存可能時間は水中でも40分程度なのですが、一緒に入浴する事に関しても感染のリスクはあります。

性器の形状から、女性の方が感染リスクは高く、幼い女の子でも感染してしまう事はあります。
そういった事から家庭内にトリコモナスの感染者がいる場合、感染者は浴槽につからずシャワーを使う、家族で一番最後に入浴する、使用した椅子やマットはシャワーなどで洗い流す、タオルの共用は避ける事が大切です。

そしてもう一つ、気をつけたい性感染症は毛じらみです。
基本的には性行為によって感染する病気ですが、毛じらみは人間の身体を離れてからでも約48時間程生存が可能であるため、タオルや毛布の共用などによっても感染します。
そのため家族に感染者がいる場合は、タオルの使いまわしは避けるようにします。
これらの性感染症はお風呂の共用によってもうつる可能性があるため、温泉や銭湯でもリスクがある事を考慮しておかなければいけません。

トイレのウォシュレットで感染しない?大丈夫?

お風呂の共用以外でも気をつけたいのが歯ブラシです。
歯磨きをすると、歯茎を傷つけて出血することがありますが、使った歯ブラシに感染者が保有しているウイルスや細菌が存在すると、歯ブラシを介して血液感染するリスクがあります。
その可能性がある性感染症はHIV、梅毒、B型肝炎、C型肝炎などが挙げられます。

そしてもう一つ、感染の可能性が心配される場所としてトイレがあります。
お風呂の共用で感染の可能性があるトリコモナスは、洋式の便器に原虫が付着していた場合は感染してしまう事があります。
また男性が洋式便器に座った時に男性器の先端部分が便座の内側に当たってしまう事がありますが、その部分に淋病の膿が付着している場合、それによって淋病に感染するケースもあります。

またトイレといえば、最近ではほとんどウォシュレットが備え付けられています。
何らかの性感染症を持っている患者が使った後、もしノズルに患者の汚物がついていると、そこから感染してしまうイメージがありますが、実際のところ感染する事はほとんどありません。
ただし女性に関しては、ウォシュレットを使い過ぎる事によって、膣内に炎症が起こりやすくなり、その結果性感染症に感染しやすくなるので注意が必要です。

これらのように、日常生活の中でも性感染症に感染する可能性はあります。
必要以上に神経質になる事もありませんが、もし自分自身、または家族の誰かが感染した場合、速やかに治療を受ける事、同時に他の家族に感染を広めない努力も必要になります。
トリコモナスや毛じらみに感染した場合は、タオルなどの共用以外に、洗濯も別に行うようにします。
洗濯機に入れる前には熱湯消毒をしておくと安心です。